仕事術

スピーチで緊張せずに話すとっておきのコツは「感情変換」することです

スピーチで緊張せずに話すとっておきのコツは「感情変換」することです

あなたは、スピーチを緊張せずに上手く話せますか?

おそらくこの記事を開いた大半の人は、スピーチで緊張してしまうことに悩んでいる人たちであることでしょう。

声が震える、顔が赤くなる、口がひきつる、棒読みになってしまう、頭が真っ白になって次の言葉が思いつかない…思い出すだけでため息が出ますよね。

スピーチがうまく話せない理由としてよく挙げられるのは「緊張」です。

そして、緊張をほぐすためのコツとしてよく挙げられるのは「深呼吸」「ストレッチ」「肩の力を抜く」などがあります。

ですが、実はこれはベストな方法ではありません。

なぜかというと、「リラックスしよう・落ち着こう」という意思は「力を発揮しよう・上手に話そう」という意思と反対方向に引っ張り合ってしまうからです。

では、一体どうすれば緊張せずにスピーチができるようになるのでしょうか?

まずは、ハーバード・ビジネス・スクールで行われた、とある実験内容をご覧ください。

アリソン・ウッド・ブルックスの実験

これは、ハーバード・ビジネス・スクールのアリソン・ウッド・フレックス教授が行った実験内容です。

実験内容

被験者である学生たちに、2分間のスピーチをしてもらいます。スピーチをする際、グループごとにそれぞれ異なるアドバイスをします。

  • Aチーム スピーチの冒頭に「私は落ち着いています」と言う
  • Bチーム スピーチの冒頭に「私は興奮しています」と言う
  • Cチーム 特に指定はなく、普通に始めてもらう

結果

スピーチの長さ

A・Cチームに目立った差はなかったが、Bチームは平均27秒長くなった

顧客からの採点

BチームはA・Cチームと比べて、「説得力」は平均17点、「自信」は平均15点高くなった

結論

緊張している場合、緊張をなくそうと努力するよりは、緊張を興奮に変換したほうがパフォーマンスが向上する。

コツは緊張を興奮へと盛り上げていくこと

緊張を興奮に盛り上げていく

「緊張を興奮に変換したほうが良い?」このことについて、詳しく説明します。

まず、重要な物事に直面したときに緊張しない人間なんていません。

ですが、緊張をどうとらえるかについては個人差がでます。不安に感じる人もいれば、興奮を感じる人もいるのです。

不安を落ち着かせようとすると、副交感神経が優位になります。一方、興奮を感じると交換神経が優位になります。

両者は全く逆です。一方はリラックスしようとし、他方はワクワクしようとします。

「リラックス」「ワクワク」はどちらもポジティブな感情ですが、覚醒度合が違います。

緊張状態に対して「リラックス」しようとするよりも、「ワクワク」しようと仕向けたほうが結果的に恐怖を打ち消しやすくなるのです。

あなたも落ち着こうと思って深呼吸したりストレッチをしたりしても、結局心臓バクバクのままスピーチを始める羽目になった経験ってありませんか?

落ち着こうと思っても、結局心を落ち着かせるのは難しいんです。それよりは、緊張を興奮に変えようとしたほうが簡単だし成功につながります。

先ほどの実験をもう一度思い出してみてください。

Aグループの人はスピーチの冒頭で「私は落ち着いています」と言ったのにも関わらず、まったくスピーチに良い影響を与えませんでした。

一方、スピーチの冒頭で「私は興奮しています」と言ったBグループの人は、スピーチ内容を量と質ともに充実させることができました。

緊張状態を不安と解釈してリラックスするよりも、緊張状態を興奮と解釈してワクワクしたほうが、パフォーマンスを向上させることができます。

意識の焦点を「失敗する不安」から「今やるべきこと」に向けることができるので、結果を出しやすくなるのです。

緊張しているのなら、「スピーチを楽しもう」という感情をどんどん盛り上げてしまいましょう。

「興奮してます」って言いにくいよね?

興奮してますって言いにくくない?

おっしゃる通りです(笑)

海外とはニュアンスが異なるので仕方がないのですが、実際にスピーチの冒頭に「私は興奮しています」と付け加えるのは日本ではちょっと不自然ですよね。

「この場に立てて嬉しいです」「この場に立ててワクワクしています」「お話したいことがたくさんあります」など、ポジティブな一文にアレンジしてみてください。

「付け加えるのに自信がない」「付け加えるのが恥ずかしい」と言う人は、自分の頭の中で叫んだり、誰もいないところで小さな声で連呼したりしてみましょう。

「興奮してきた!」「楽しみ!」、このあたりの言葉で十分です。

それだけでも、意識の向け方が大きく変わりますよ。

人目を気にしてしまいます?そんな人は…

スピーチの冒頭で「私は興奮しています」系のニュアンスで話したら、聴衆から「嘘だろ」「どこがだよ」と思われるのが嫌だし不安…

そういった方には、もう一つ「スポットライト効果」についてお話しします。

コーネル大学の心理学者、トム・ギロビッチらによる実験によって実証された効果です。

実験内容

  1. 被験者は、ダサいTシャツを着るように指示されます。そのかっこうのまま学生グループの輪に加わってもらいます。
  2. 1分後に、ダサいTシャツを着た被験者だけ、学生グループの輪からそっと外れてもらいます。
  3. 学生グループの何%が、このダサいTシャツに気づいたか?と被験者に質問したところ…

結果

予想は平均50%だったが、実際は21%だった

この実験からわかるように、自分が思っているほど他人は自分のことを気にしていません。

自分事のように他人を気にするエネルギーなんて存在しないのです。

「変に見られたかもしれない」「心の中で笑われたらどうしよう」と心配するのは時間の無駄です。

冒頭のスピーチに限ったことではありませんが、大して誰も自分のことを気にしていないのだから、言いたいように言いましょう。

そうすることで余計な不安がなくなり、目の前にあることにエネルギーを注げるようになります。

ぜひ、余計な自意識を捨てて冒険してみてください。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

緊張した状態で不安を取り除くのは至難の業です。

そうするよりはポジティブな感情を持って目の前のスピーチに取り組むほうが、結果としてあなたを良い方向へと導きます。

「そんなの嘘だ」「上手くいくはずがない」と思ったままでは、いつまでも同じ手法に頼り切ってばかりで前進しません。

「しっくりこない」と思う方もいるかもしれませんが、だまされたと思って一度試してくださいね。